故事に“おうた子に教えられ”がある。

新型コロナウイリス「武漢肺炎」に関した記事では、

中国人に教えられることが多い。

 

“安全と水はタダ”は日本人の非常識を笑う俗諺だが・・・

日本人は“細菌戦争”にも、無自覚であることが、武漢肺炎で証明されてしまった。

 

<中国人観光客が見た日本>日本帰りの空港で忘れられない光景、「ホームに1人残った湖北省出身者の姿」

Record china 2020228()

 

2020228日、中国のインターネット上に、新型コロナウイリスが流行する中で日本旅行から中国に帰国した際の出来事についてつづった手記が掲載された。

 

〇 この手記が発するメッセージを考察してみる。

 

日本を発った飛行機が無事に北京に到着し、チーフパーサーが搭乗口を開けると、最初に乗り込んできたのは空港の検疫係員だった。カーテンを挟んでいたとはいえ、話し声がはっきりと聞こえてきた。機内には12人の湖北省出身の旅行者がいたのだ。湖北省は今回の新型肺炎の発生地なので、これらの人たちに対して体温を測定するなどの医学調査が必要だったようだ。チーフパーサーは機内アナウンスで12の座席番号を挙げて、これらの乗客は先に搭乗口まで来るようにと言った。

その後の数分の間に、次々と湖北省出身の旅行客が出てきて体温測定を行ったが、特に異常はなかったようだ。

 

〇 中国政府は、武漢が存在する湖北省出身者に神経質になっているようだが、今日では加えて韓国の大邱からの入国者にも神経をとがらせているという。

世界各国の空港で成田や関空発の旅客が特別検査を受ける時が近づいているのかもしれない。

 

しかし、乗客の1人がいつまでも検査を受けなかったため、チーフパーサーは再び機内アナウンスでこの乗客の名前を呼んだ。すると、マスクをした中年女性が表れ、簡単な体温測定をし、これ以前の旅行先などについて質問を受けていた。私たちの耳に、この乗客が「去年9月に北京に来てから1度も湖北に帰ってはいない」などと大声で弁明しているのが聞こえてきた。

 

〇 訪日・中国人に対して、日本の空港でこのような検査をしたという記事を見かけない。

訪日した湖北省出身者は“自由”に日本国内を漫遊し、武漢肺炎をまき散らしたと考えることは当然視すべきであり、このような見方は差別とは別物である。

日本国内における、最初の「武漢肺炎」罹患者は、中国人団体客のバスの運転手 でありガイドであった。

次の罹患者は、タクシードライバーであり、そのドライバーが参加した屋形船の新年会が最初のクラスター(集団感染)であった。

 

その後、私たちも飛行機から降りることができたが、ターミナルビルに入るところで前方に湖北出身者の一群が見えた。私たちは意識的に歩調を緩めて彼らと一定の距離を保った。

 

〇 春節の時期、日本国内には70万とも90万とも言われる中国人が闊歩した。

そのすべてが新型コロナウイリス(武漢肺炎)のキャリア(保菌者)とは言わないが、少なく見ても数万人がキャリアであったことは当然視できる。

この現実を知れば、中国人の好む観光地でパニックが起きても不思議でない。

観光立国の掛け声に踊らされた観光地の人々も“観光公害”を深刻に受け止めるべきである。

 

ターミナルビルに着くと旅行客は非常に少なく、検疫の入口まで来たところで湖北省出身者たちが検疫官に1人ずつ別の所へ連れて行かれるのが分かった。恐らくさらなる質問があるのだろう。隔離され経過観察となったかどうかは分からない。この時、あの最後に出てきた湖北出身の中年女性が他の湖北出身者と一緒に検査を受けず、私たちと一緒に入国手続きのところにいるのが分かった。そのため、ある人は入国検査員に伝え、みんなはこの女性を避けていた。

 

〇 伝染病のパンデミックを防御するためには、一時の不便は勿論、行動の自由を制限されることを国民一人一人が受け入れることで成り立つ。

一人でもその様な不自由を受け入れなければ“アリの一穴”となるのだ。

 

ターミナル3Cへ行く列車に乗る時、またもこの湖北出身の中年女性を見かけた。この女性も私たちのことが分かったようで、結局列車には乗車せず、ホームに立ったままだった。そしてドアが閉まり、列車は暗闇の中へと進んでいった。ホームにはあの女性の孤独な影が残った。

 

〇 私は、238日まで韓国・ソウルに滞在した。

滞在時の韓国は、日本に勝る「武漢肺炎対策」が実行され、日本政府も見習うべきであるとの感慨を持ったのであるが、帰国後「大邱パンデミック」である。

私の印象で言えば、これも「アリの一穴」のなせる業である。

「武漢肺炎」というネーミングは韓国のマスコミである。

 

ターミナル3Cに到着し、もうあの乗客の姿を見ることがなくなって、不安だった気持ちがようやく落ち着いてきた。誰もいない税関を通り、ついに祖国に戻ってきたが、新型肺炎がもたらした緊張感をはっきりと実感した。今回の初の日本旅行はこのような緊張感の中であっという間に過ぎ去ったが、次回の日本の旅にぜひとも期待したい。

 

〇 武漢出身者に対して、湖南省人に対して、中国人でさえこのような警戒心を持っているのだが、私は、日本政府も、日本の観光関連業者も、このような警戒感は皆無であったとの印象を持っている。

この手記を残した中国人も、日本国内の状況が悪化することによってリピートすることはなくなるのかもしれない。

 

≪重要な余談≫

東京五輪2020は、文字通り“世紀のイベント”であるが、この際中止を前提にしての対策が必要かもしれない。

仮に、日本政府が万全の対策を行って開催を強行しても、諸御外国の人々がそれを信用しなければ、「無観客試合」同様な結果を生むだろう。

五輪中止という最悪を想定して対応策を練るべき時が迫っている。

 

“後から気が付く癲癇もち”の感があるが、1月に訪日した70万とも90万人ともいわれる中国人の内何人が帰国したのだろうか?政府の責任ある発表を待ちたい。