いつか誰かが公に抗議するとは思ったが、

自民党議員が声を上げた。

 

但し、青山繁晴議員は参議院の一期生であり、

「国益を護る会」に所属する議員の多くも当選回数の少ない議員であるようだ。

つまり、大臣適齢期の議員らは“猟官運動”に不利になるから、

この様な運動には参加できかねるということだろう。

 

わが栃木県には、一言居士の議員が多かった。

 

佐藤内閣時代の高瀬伝衆議院議員は、

衆院本会議場で、佐藤総理に「佐藤君」と呼かけ、周囲を驚かせた。

大河ドラマ”韋駄天”には登場しないが、

高瀬伝先生は、幻の東京オリンピックへの観光客誘致のための

鉄道省・国際観光局ニューヨーク事務所長であった。

つまり高瀬伝先生と佐藤総理は鉄道省の同期生であったのだ。

 

船田中先生は、田中角栄の総裁選勝利の祝賀演説で、

角さんのスローガン「決断と実行」を引き合いに、

「決断と実行」に”熟慮“を加える必要有りと言い放った。

 

森山欣司衆議院議員は、

強大な勢力を持つ“日教組”に正面から戦いを挑み、

栃木県を「教育正常県」のトップランナーとした。

 

藤尾正行衆議院議員は、現役の文部大臣当時、

「日韓併合時代、日本は良いこともした」と発言し、

発言取り消しを求めた中曽根総理の意に逆らい敢えて“罷免”を望んだ。

 

渡辺美智雄衆院議員は、

世論に逆らうことも恐れなかった。

頓智の利いた話術で、一般大衆を説得する勇気があったのである。

 

現在、茂木敏允衆議院議員が外務大臣となっているが、

彼に、習近平主席の国賓としての招待に

「慎重論」を期待するのは無理なのかもしれないが・・・

 

衆議院議員は国民を代理し、国政を議する士なのだから、

高瀬伝先生や藤尾正行先生の衣鉢を継げる議員がいるはずなのだが・・・

 

自民有志「護る会」 中国主席の国賓来日に反対決議

産経新聞 1113日(水)

 

 自民党の保守系有志議員のグループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)は13日、国会内で会合を開き、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域への公船の侵入行為や香港市民に対する弾圧姿勢を改めない限り、来春予定される習近平国家主席の国賓としての来日に反対する決議文をまとめた。

 青山氏は会合後、記者団に「尖閣や香港の問題をなかったかのように習氏を国賓として迎えるのは国としておかしい」と強調。「中国が日中間に横たわる問題や香港などで基本的人権(の侵害問題)を改善すれば、国賓来日は歓迎する」とも述べた。

 青山氏らは同日夕、首相官邸を訪れ、岡田直樹官房副長官に決議文を手渡した。

 岡田氏は、決議文の内容を安倍晋三首相と菅義偉官房長官に伝えるとした上で、「自民党の反対論や国民の中にある賛成できないという気持ちを無くせるよう、官邸一体となって努力する」と語ったという。

 全文は以下の通り。

     


 政府は、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったと繰り返し、表明している。来春には、習近平国家主席の訪日も予定されている中、こうした関係改善を印象づけるメッセージは、外交辞令としては理解するものの、真の日中関係を表しているとは言い難い。

 例えば、わが国固有の領土である尖閣諸島周辺海域への中国船の度重なる侵入、中国軍機の領空侵犯は日常茶飯事となっている。

 また、香港市民の民主的政治行動に対し、強権によって弾圧する姿勢は、自由・民主主義・法の支配という現代社会の普遍的価値に照らして、断じて許されない。

 さらに先般、中国側の招聘(しょうへい)によって出向いた北大教授が不当に拘束される事件が発生したように、理由もわからず捕らえられ、自由を奪われている邦人は十数人とも言われ、中国において、わが国の尊厳と邦人の基本的人権が尊重されているとは、到底言えない状況が続いている。

 このような現状は、日中関係が「正常な軌道」にあるとはいえないことを意味している。

 1919年に、日本が世界で初めて国際会議において人種的差別撤廃提案をしてから今年で100年となるが、中国によるチベット・ウイグル・南モンゴルへの人権弾圧が行われ、中国国内で不法不当な臓器移植が疑われるなどの事例が世界中で取り沙汰されている。

 日本の尊厳と国益を護る会は、自由・民主主義・法の支配という国際社会の普遍的価値観に基づく正しい日中関係構築のため、これらの問題に関して習主席来日までに中国政府が具体的で明確な対応をとることを求めるよう政府に対し強く要望すると共に、これらの諸懸案に改善がない場合は、習近平国家主席の国賓としての来日に反対する。

 

 

≪私見≫

安倍晋三首相は、「日中関係は完全に正常化した」というが、「日本を護る会」の指摘通り、日本と中国の間には解決しなければならない問題が山済みである。

しかもその多くが、中国による侵略行為であり、中国による人権問題でもある。

また、「(中国には)新しい大国主義・覇権主義の誤りがある」と名指しで批判する唯一の政党が「日本共産党」であることも注目される。

 

話は違うが、

今国会では総理主催の「桜を見る会」が話題となっている。

私も、県議会議長として「桜を見る会」に参加したが、印象に残るものは何もなかった。

自民党大会後は、総理官邸でのパーティーが恒例である。

参加者は、もちろん自民党員のみである。

後援者招待によって「桜を見る会」が批難されるのであれば、

党員の参加しか許されない党大会後の「総理官邸でのパーティー」も非難されるべきではないのか。

 

物事は、“四各四面”でばかり論じてはつまらないものになる。

“恒例”や、“慣習”は多少規則から外れたとしても大目に見ることが世の中の従滑油ではないのか?

 

議員の「香典問題」など、法律の方が間違っている。