NODA…who 野田佳彦氏とはどのような人物
野田新首相は「冷戦思考」、日中の領海紛争煽り立てる可能性も-香港メディア
8・31 Record China
2011年6月30日、誕生したばかりの野田佳彦新首相に付いて、東海大学の葉千栄教授は香港フェニックステレビの国際ニュース番組「鳳凰全球速線」で、「日中領海紛争を煽り立てる可能性がある」と解説した。
日米関係には亀裂が入り、日中関係も疎遠になっている。前任者たちが残した「負の遺産」に野田新首相はどう立ち向かっていくのか。葉教授はまず、野田首相が松下政経塾の1期生であることが重要なポイントだとした上で、「同塾の初期の学生は強烈な『冷戦思考』の傾向が強い」と指摘。年齢が若いせいで改革派と見られているが、実は国際問題に対しては「冷戦思考」が際立っていると解説した。
日米関係は沖縄の米軍基地移転問題が障害となっており、野田新首相にとっては早急に此れを取り除きたいところ。葉教授は、野田政権としては早急な解決に向け、「県外移設は難しい」と沖縄県側に更なる圧力をかける必要性があるが、此れと同時に世論の支持を得る手段として、「日本と中国で領有権を争う海域で起こる海軍や海洋上の武装勢力の接近もしくは演習と言った偶発的な場面」をむやみに煽り立てる可能性もあるとの懸念を示した。(翻訳・編集/NN)
松下政経塾
松下電器・現在のパナソニックの創業者故松下幸之助氏がロッキード問題で揺れる日本の政財界の将来を案じ、昭和54年(1979年)に設立した私塾。
政財界の次世代指導者の育成を目的としている。
今回新首相となった野田氏は第1期生であり、現在国会議員や企業経営者を多数輩出している。
明治維新の原動力となった高杉晋作や伊藤博文初代総理大臣など多数の人材を輩出した吉田松陰の松下村塾をモデルにしたと言われている。
国家の柱石
この当時(昭和50年代)は「政治三流、経済一流」と言われていたが、明治の気概を持つ松下幸之助氏の目から見れば「政治も経済も三流」政治家も企業経営者も“国家の柱石たる気概が無い”と映ったのであろう。
葉教授が暗に感じ取ったように、松下政経塾の設立目的は「国家の柱石たる人物の育成」にあったことは間違いない。
『冷戦構造』
葉教授は米ソの首脳による『マルタ会談』で冷戦が収束したと言う通説に基づいて、それ以前の世界を『冷戦構造』としている様である。
ヨーロッパ正面ではその考えは当たっているだろうが、アジアではその様な構造になっていない。
朝鮮半島では政治体制の違う2つの国家の対立は継続し『冷戦』に加え、(延平島砲撃などの)突発的な『熱戦』まで起きている。
また政治体制の違う台湾(中華民国)と中国(中華人民共和国)との間では、「時代錯誤」とも言える、中国政府による台湾の『武力統一』まで中国政府が公式に表明しているのである。
領有権争い?
葉教授がイメージしている日中間の領土紛争は、尖閣諸島領有権や日中間のEEZ境界付近の中国政府による海底油田開発に対する日本政府の主張と中国政府の主張を同等に評価している様であるが、わが国政府の公式見解は「尖閣諸島は歴史的事実に照らして正当な日本固有の領土」であり、同島を起点として引かれたEEZは国際的に認められたわが国の権益であることを前提としていないところに議論を混乱させる要素が潜んでいる。
武装勢力の“偶発的”な、接近
近年の中国海軍によるわが国の領海侵犯事件やわが国EEZ 内での軍事演習などが“偶発的な接近”と言えるのか、そうではあるまい、中国海軍当局は2010年までに第一列島線内の海域を、2020年までに第二列島線内を自国の制海権が及ぶ海域として設定し、着々とその実現・準備を進め、その計画の中で中国海軍による国際条約を無視した領海侵犯事件等が発生しているのである。
つまり、頻発する事件は「中国政府の故意によるもの」である。
日本国の首相は
わが国の国土“領土・領海・領空”を守り、我が国民の生命・財産と、わが国古来の伝統・文化を守るための日本政府の最高責任者である。
このような至極当然の常識に照らしてみると、歴代首相は“必ずしも”自らの責任を全うしているとは言えないし、特に鳩山由紀夫元首相、菅前首相にその点が顕著であった。
野田新首相が葉教授の見解のような人物であれば、
我が日本国民は喝采を送らなければならない。
松下政経塾出身者は
中国における別のマスコミ評によると「松下政経塾出身者は“教科書的”」と言われている。
「話すことは立派だが実行力が伴わない」とかの国のマスコミには映る様である。
中国共産党内の過酷な権力闘争の中で伸し上がってくる中国の要人に比べるまでも無く、今までの松下政経塾出身の政治家には“ひ弱さ”が目立っていた。
政治は評論や学術発表の場でなく政策実現の“現場”であるから、鳩山元首相のような「現実離れした空想的発言」や菅前首相のような「裏づけの無い思いつき発言」で政治的混乱を増幅するようなことは野田新首相には厳禁してもらいたい。
理想と現実をわきまえ、
融和のための譲歩と、譲れない一線を
明確に行動で現してもらいたい。と“希う”